お葬儀の豆知識
法要のお供え物の選び方|おすすめ品と避けるべきもの
法要に参列する際、お供え物を何にすべきか迷う方は少なくありません。故人やご遺族への心を表す品であるため、適切に選ぶことが大切です。本記事では、おすすめのお供え物から注意すべきタブーまで、実際に選ぶ際のポイントを詳しく解説します。
法要のお供え物の選び方
◇法要のお供え物は「消え物」を選ぶ
法要のお供え物では、哀しみや不幸が後々まで残らないよう、後に残らない品「消え物」を選ばれるのが一般的です。
<消え物とは?>
①食べ物 ②果物 ③飲み物 ④お線香 ⑤ロウソク ⑥供え花
このほか、食べ物や飲み物などの飲食物を法要のお供え物に選ぶ場合、賞味期限が長く、衛生面にも配慮した品が好まれます。故人が生前に好きだった嗜好品や花なども良いでしょう。
①食べ物
◇賞味期限が長く日持ちするものを選ぶ
法要のお供え物は、法要後に参列者へ配ることも多いので、分けやすい個包装の焼き菓子などは、施主にとっても配りやすく、喜ばれるでしょう。
| <おすすめの食べ物> | |
| ・和菓子 | ・羊羹 ・煎餅 ・最中 …など |
| ・洋菓子 | ・マドレーヌ ・クッキー ・フィナンシェ …など |
お菓子類は、詰め合わせセットがおすすめです。洋菓子なら個包装の乾き菓子セットなどを準備すると、賞味期限も長く分けやすく、子どもから大人まで喜ばれるでしょう。
②果物
◇果物は季節を感じるものを
法要のお供え物に旬の果物を持参すると、「季節の移り変わりを故人に伝えることができる」とされてきました。
<おすすめの果物>
・旬の果物
・地域の特産品
その土地の特産品も多く選ばれます。遠方からの参列者が多い場合は、傷みにくい果物を選ぶようにしましょう。
③飲み物
◇法要のお供え物はお酒が人気
法要のお供え物として「お酒」は、けがれを清め、故人の安らかな成仏を願う意味も込められています。沖縄では酒宴を催すことで、故人を慰めるともされてきました。
・日本酒
・ビール
・故人が生前に好きだったお酒
ただし、キリスト教ではお酒を供えることはありませんので、キリスト教式の儀式に参加する場合は、予め施主に確認を取ると良いでしょう。
④お線香
◇お線香は故人への贈り物
仏様は「香りを食べる」とも言われ、お線香は故人への贈り物となる他、生きる者にとっては、法要や供養において必要なものでもあります。お線香も使用することで消耗される「消え物」にあたります。賞味期限もないので、迷ったらお線香を法要のお供え物としても良いでしょう。沈香などスタンダードな香りの他、珍しい香り、故人が好きだった香りを選ぶのも良いでしょう。
⑤ロウソク
◇ロウソクは故人やご本尊様への捧げもの
ロウソクはお線香と並び「仏様や神様に捧げるもの」とされています。そのため故人を供養する法要の席に適しています。ただ、ロウソク単体で包むことはあまりなく、お菓子や飲み物、お線香など、他の品とともに包むことが多いです。
⑥供え花
◇供え花はフラワーアレンジメントがGOOD
供え花は白い花が多く選ばれますが、四十九日法要以降の忌明け後であれば、色鮮やかな花を選んでも構いません。花店で「弔事用で」と伝えると、適切な花を準備してくれるでしょう。
・フラワーアレンジメント
・ブリザーブドフラワー
花束だと、生けるための新しい花瓶が必要ですが、フラワーアレンジメントならばそのまま仏壇に供えることができます。ただし、例えば、鮮やかすぎるものや、強い香り、トゲのある花など法要の供え花としては控えましょう。
法要のお供え物のタブー

◇殺生をイメージするもの、縁起の悪いものはタブー
仏式で執り行われる法要では、仏教の教えに倣い、殺生をイメージさせる肉や魚などの「四つ足生臭もの」を避けるとされてきました。沖縄では法要で豚肉を供える風習もありますが、法要の席にお供え物として持参するのであれば、お菓子などを選んだ方が無難です。
| <法要のお供え物タブー> | |
| ・殺生をイメージさせるもの | ・肉(ハム、ベーコン) ・魚 …など |
| ・お祝いをイメージさせるもの | ・紅白かまぼこ ・昆布 …など |
| ・縁起の悪い数字に注意 | ・四(死) ・九(苦) |
供物料として現金を包む場合など、四・九などの縁起の悪い数字も避けます。また、一部地域では缶詰がお供え物の定番になっていますよね。ただし缶詰は食べにくく持ち運びにくいことにも配慮して選ぶと良いでしょう。代用であれば、餅や海苔は缶詰と同じく日持ちするため、お菓子以外の食べ物を選びたい場合に実用的な選択肢となります。
まとめ
法要のお供え物を選ぶ際は、故人やご遺族に配慮しながら、場にふさわしいものを準備することが求められます。和菓子や果物、お酒、お線香、供花といった「消え物」は定番であり、賞味期限や分けやすさなども考慮するとより喜ばれます。
一方で、肉や魚などの生臭もの、紅白の品、縁起の悪い数字は避けることがマナーです。迷ったときは故人の好みや宗教的背景を踏まえて選ぶと安心です。心を込めて準備したお供え物は、故人への供養だけでなく、ご遺族の心を和らげる贈り物となるでしょう。

