お葬儀の豆知識
訃報のお知らせガイド① 危篤連絡の完全マニュアル

家族が危篤の知らせを受けたとき、まず直面するのが「誰に、いつ、どうやって連絡すべきか」という問題です。突然の状況に心が追いつかず、どう進めればよいか分からなくなることも少なくありません。危篤連絡は時間との勝負になることも多く、迷わず動けるよう最低限のポイントを押さえておくことが大切です。
本記事では、危篤時の連絡対象、電話の伝え方、避けたいNG例、配慮すべき点、そしてよくある質問まで、実務に即して分かりやすく整理します。
危篤連絡の基本 ― 「ためらわず電話」が原則
危篤の知らせは、病院からまず配偶者や同居家族に入るのが一般的です。それを受けて、家族が関係者へ連絡を広げます。危篤は「できるだけ早く知らせたい」場面であり、メールやSMSよりも電話が最優先となります。深夜・早朝でも遠慮はいりません。ただし、下記のように一言添えるだけで、より丁寧になります。
<ポイント>
- 「夜分遅くに恐れ入りますが…」
- 「朝早くから申し訳ありません…」
相手の状況に配慮しながらも、迅速性を優先することが最も重要です。
◇危篤時に連絡すべき人の優先順位
危篤の連絡は、家族関係の深さや本人の希望を踏まえて優先順位を決めます。一般的には以下の順番が目安です。
<対象の目安>
- 配偶者・子どもなど近い家族
- 両親・兄弟姉妹
- 配偶者側の父母・兄弟姉妹
- 深い関係性の友人・恩人
- 勤務先の上司・担当者
特に重要なのは、本人が「会いたかった人」から優先することです。最近はエンディングノートに「危篤時に呼んでほしい人」が書かれていることもあります。確認できる場合は最優先で連絡しましょう。
<危篤連絡の電話文例>
○○(本人)の○○(続柄)の○○と申します。
ただいま病院より、○○が危篤との連絡を受けました。
息のあるうちに、もし可能でしたらひと目でも会っていただきたく、ご連絡いたしました。
ご多用のところ恐縮ですが、取り急ぎお知らせいたします。
動揺しやすい場面だからこそ、次のような定型文があると助かります。深夜帯なら冒頭に「夜分遅くに申し訳ありません」を添えてください。
伝える内容は「短く・正確に」が基本
危篤は急ぎの状況のため、説明は最小限で構いません。口頭で伝えるべきことは以下の3点のみです。
- 危篤であること
- 病院名・場所
- 面会が可能かどうか(面会時間・受付)
この3つだけを確実に伝えれば十分です。
◇配慮すべき点 ― 気持ちを尊重しながら連絡を進める
危篤連絡の際にとくに大事な配慮をまとめます。
- 「来てください」と強要しない
└ 遠方・高齢・仕事などで来られない人もいます。 - 医療情報の推測は避ける
└ 「危ないらしい」といった曖昧な表現は混乱の原因に。 - 電話後にSMSでフォロー
└ 病院名、住所、面会可否を送っておくと相手が動きやすい。 - 家族より先のSNS投稿は絶対に避ける
└ トラブルの原因No.1です。
◇危篤連絡のNG例
- すぐ来てください!」と相手にプレッシャーをかける
- 医療内容について独自の解釈で伝える
- SNSで安易に「危篤です」と投稿する
- 代表者を立てず、同じ説明を複数回して疲弊する
危篤連絡は一人で抱え込まないことも大切です。
代表者を置くと連絡が楽になる
親族が多い場合、喪主や家族がすべての人に連絡するのは現実的ではありません。そこで有効なのが 「連絡代表者を置く」 という方法です。
- 親族代表
- 友人代表
- 職場代表
に必要事項をまとめて共有し、そこから広げてもらうだけで、家族の負担は大幅に軽減されます。
よくある質問(Q&A)
Q1:仕事中・深夜でも電話してよい?
→ はい。危篤は例外です。冒頭にお詫びの言葉を添えれば失礼にはあたりません。
Q2:メールやLINEではダメ?
→ 一次連絡は電話が必須。その後の詳細をテキストで送る形が最適です。
Q3:勤務先にはどこへ連絡?
→ 上司 → 職場代表者 → 総務 の流れが一般的です。
Q4:遠方の人にはどう伝える?
→ オンライン面会を提案するなど、負担の少ない形を示すと丁寧です。
まとめ

危篤連絡は、心の整理がつかないまま進めることが多いものです。しかし、優先順位を整理し、文例を活用しながら、電話後にSMSで補足するだけで、混乱を最小限に抑えられます。相手の事情を尊重しながら、迅速かつ丁寧な連絡を心がけることが、悔いのない見送りにつながります。
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