お葬儀の豆知識
家族葬で香典辞退とされたらどう対応する?迷惑にならない弔意の伝え方やマナー、注意点
・家族葬で香典辞退を受けたらどうする?
・家族葬の香典辞退は、供花や供物もダメ?
・家族葬の香典辞退を受けて、避けたいマナーは?
10人ほどで執り行う規模の小さな家族葬では、香典を受け付けない「香典辞退」のスタイルも増えました。
けれども家族葬で香典辞退を受けると、「本当に香典を持参しなくて良いのか?」「香典に代わるものが必要か?」など、参列者は不安になりがちですよね。
本記事を読むことで、家族葬の案内で香典辞退を受けた時、適切な対応やマナー、避けたいタブー、注意点が分かります。
家族葬の「香典辞退」とは?
◇規模の小さな家族葬などで、ご遺族が香典を辞退することです
家族葬に多い「香典辞退」とは、通夜や葬儀の他、後々の弔問などにおいて香典を辞退することをご遺族が宣言することを差します。
沖縄では新聞のお悔み欄で訃報に触れるケースが多いですが、人数が限られた家族葬は、ご遺族が参列して欲しい人に通夜や葬儀の案内状を送る流れが多いです。
多くは訃報ハガキや葬儀の案内状などに明記されているでしょう。
・故人の遺志で 香典は遠慮しております
・家族葬により ご厚意は辞退させていただきます
…などと記載されていたら、その家族葬は香典辞退ですので、参列者は香典を持参せずにお焼香に伺います。
・葬儀の案内状はいつ、どのタイミングで送る?沖縄で決める事柄や2つの時期、例文を紹介
「家族葬」とは
◇広く参列者を受け付けない、規模の小さな葬儀です
家族葬は参列者の少ない葬儀ですが、定義はありません。
「家族葬」とは家族のみで執り行う通夜や葬儀とされますが、実質的にはご遺族が望めば友人知人や会社関係者も参列します。
●家族葬
[人数]約30人
[平均]約23人
●一般葬
[人数]約100人以上
[平均]約79人
密葬と同じく故人と近しい参列者のみで執り行う葬儀で、後々の「お別れの会」などの席は設けません。
ご遺族としては参列者への気遣いなく、ゆっくりと故人を見送ることができます。
なぜ家族葬で香典辞退をするの?
◇家族葬では香典辞退により、香典返しの手間を省くことができます
そもそも香典には相互扶助の役割があり、喪家は香典を受け取ることで葬儀費用を算出できますが、規模の小さな家族葬では葬儀費用がそれほど掛かりません。
「香典を受け取る」と答えた人々の80%が、「葬儀費用に充てるため」と答えたのに対して、家族葬で香典辞退をする理由は、下記のように分かれます。
・香典返しが大変…33.3%
・負担を掛けたくない…25.8%
・家族だけで済ませたい…16.1%
また九州・沖縄地方では「互いのやり取りがあるため」香典を受け取る喪家が多い反面、遠方から通夜や葬儀に駆け付ける参列者に対して「わざわざ来てくれる参列者に負担を掛けるのが忍びない」との答えもありました。
2022年鎌倉新書「第5回お葬式に関する全国調査」
家族葬で香典辞退されたら、弔意の表し方は?
◇家族葬で香典辞退を受けたら、ご遺族の意向に沿います
家族葬で香典辞退を受けたら、参列者はご遺族の意向に沿い、お悔みの言葉に留めると良いでしょう。
ただ香典辞退を受けても「何とか弔意を伝えたい」とするならば、弔電や供花、供物などがあります。
弔電で弔意を表す
◇通夜や葬儀に参列できない時には、弔電で弔意を表します
特に家族葬の案内を受けたものの、葬儀に参列できない時には、ご遺族に葬儀に参列できない旨をできるだけ早く伝えたうえで、弔電を送ると良いでしょう。
●葬儀当日、斎場宛てに弔電を送ります。
弔電はNTTが提供するサービスで、115番にダイアルすれば受け付けてくれます。
またインターネットで申し込むことも可能です。
・弔電(VERY CARD)
供花で弔意を表す
◇家族葬で香典辞退を受けた時、供花で弔意を表すことも可能です
供花には枕花や花輪、フラワーアレンジなどさまざまなタイプがあります。
一般的に個人で送る供花はフラワーアレンジが多いでしょう。
・斎場や葬儀社、ご遺族に了承を得る
(指定の生花店などがあれば確認)
・葬儀会場宛てに、花屋さんに注文する
葬儀のなかには飾る花々が統一されるものもあるので、予め葬儀社や斎場、ご遺族などに連絡をして、適切な供花を送ります。
・供え花とは?弔事で供え花を贈るマナーやタイミング、金額相場や送り方とは?
供物で弔意を表す
◇家族葬で香典辞退を受けた時には、供物を持参・送る人もいます
供物は予算を約2千円~5千円ほどとし、果物や渇き菓子などの他、故人へ供えるお線香やロウソクなどでも良いでしょう。
[水引き]
・白黒の結び切り(印刷でも可)
[表書き]
・「御供」「御供物」「御霊前」
[のし]
・郵送する場合…内のし
・持参する場合…外のし
家族葬で香典辞退を受けた場合には、供物を持参・送る場合もご遺族に了承を得ると安心です。
供物は通夜や葬儀を過ぎてもご自宅へ送ることができますが、ご遺族は法要の準備やさまざまな手続きで慌ただしい日々を送っていますから、事前に到着日時を伝えると良いでしょう。
家族葬の香典辞退は、供物や供花も辞退?
◇家族葬で香典辞退をする喪家では、供物や供花も辞退することがあります
このように供物や供花も弔意を表す良い方法ですが、家族葬で香典辞退をする家では、供物や供花も受け取らないとする喪家も少なくありません。
この場合、葬儀の案内状に下記のように記載されています。
・供物や供花の儀は遠慮しております
・ご厚意辞退申し上げます
…など、供物や供花の辞退を明記する葬儀の案内状が多いですが、「御厚意辞退申し上げます」は香典を含めた全てのものを辞退するとの意があるため、注意をしてください。
家族葬で供物・供花・香典辞退を受けたら
◇ご遺族の意向に沿い、お悔みの言葉や弔電のみとします
ご遺族としては家族葬で香典辞退は、香典返しの省略が目的ですが、これは供物や供花に対しても同じです。
香典、供花、供物、全てのご厚意に対して、いただいた金額の約1/2~1/3ほどの金額相場で、香典返しを送らなければなりません。
・参列や弔問時の持参は控える
・参列できない時は、弔電や手紙を送る
・「香典返しの辞退」を記載する
家族葬で香典辞退を受けても、何とか香典や供花などを送りたい時には、「香典返し辞退」の手紙を添えるのも一案です。
けれどもご遺族に余計な気遣いをさせてしまうので、できる限りはご遺族の気持ちに寄り添った方が良いでしょう。
・葬儀に参列できない時の対処法とは?メールで伝える丁寧な例文や、沖縄での対処法も解説
家族葬で香典辞退を受けた時の注意点
◇家族葬で香典辞退を打受けたら、香典の受け取りを無理強いしません
家族葬で香典辞退をされたら、ご遺族としてはできるだけゆっくりと故人を偲びたい気持ちが強いはずです。
家族葬に案内された参列者であれば、生前に故人と近しい関係性にあり、何らかの厚意を伝えたい想いが分かりますが、まずはご遺族の気持ちを汲みましょう。
・「香典返しはいいから」と受け取りを無理強いしない
・香典や供物を、ご遺族の許可なく送りつけない
家族葬で香典辞退が明記されていたら、香典以外にも供物や供花を送る方法はありますが、こちらが「香典返しの辞退」を申し出ても、ご遺族としては気遣うことでしょう。
まずはご遺族へ相談をして、許可を得てから送ります。
家族葬の香典辞退は、ご遺族の気持ちを優先します
葬儀費用は何十万と掛かるなか、香典返しの風習があるとはいえ、相互扶助の役割を果たす香典辞退を決めるなら、ご遺族は負担があっても、ゆっくりと故人を弔いたい気持ちが強いはずです。
もしも家族葬の香典辞退を受けたら、まずはご遺族の気持ちを汲み、「何もしない」ことが何よりの心遣いになるでしょう。
弔意の伝え方には、ご遺族が知らない故人の生前の楽しい思い出話もありますし、お手紙ひとつでも、弔いになるはずです。
・お悔みの言葉とは?メールや香典とともに添える言葉の例文。一筆箋、手紙での例文も紹介