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2026/07/04

トートーメーとは?沖縄の位牌文化と受け継ぎ方を解説

沖縄には、本土とは異なる独自の供養文化が数多く残されています。中でも「トートーメー」は、沖縄の先祖供養を語るうえで欠かせない存在です。しかし近年は、少子高齢化や核家族化の影響により、「トートーメーは誰が受け継ぐのか」「将来はどうすればよいのか」と悩む家庭も増えています。

今回は、トートーメーの意味や本土の位牌との違い、受け継ぐ際に考えておきたいポイントについて分かりやすくお伝えします。

トートーメーとは?

トートーメーとは、沖縄で父方の家系に受け継がれてきた先祖代々の位牌のことです。その呼び方は「尊い方」を意味する「尊御前」に由来すると言われています。ただし、トートーメーの祀り方や扱い方には、沖縄県内でも慣習に違いが見られるので、気になる方は、自身の地域でのトートーメーの扱いを聞いてみるとよいでしょう。

<位牌の扱いの違い>
・トートーメー 先祖代々を祀る 祖先神を祀る祭祀具として扱われる
・位牌(仏教) 故人を祀る 故人の霊魂が宿る依代の扱い

トートーメーと仏教の位牌とは意味合いが異なり、沖縄では、故人が祖先神(ウヤファーフジ)として家族を見守る存在になるという祖先観があるため、故人の霊魂が宿る御霊代を神様として祀る神道の考え方が近いでしょう。トートーメーは、位牌立てに位牌札を並べ、先祖代々祀れるように、横長の形状をしています。

トートーメーのタブー

トートーメーには、伝統的に受け継ぎ方に関する独自の考え方があります。トートーメー信仰の中でタブーとされる4つをご紹介していきましょう。

①長男(嫡男)のみが継承を許される「チャッシウシクミ」

「チャッシ」は「嫡子」、「ウシクミ」は「押し込み」を意味します。つまりトートーメーは長男(嫡男)のみが継承の権利を持っているということになります。伝統的には長男が継承者とされてきましたが、次男以降は「チョーデーカサバイ」により、継承の権利が剥奪されます。

②兄弟が並んで位牌に名前を刻むことを許さない「チョーデーカサバイ」

沖縄の言葉で「チョーデー」は「兄弟」、「カサバイ」は「重なり」という意味です。伝統的なトートーメー観では、兄弟が同じトートーメーを継承することは好ましくないと考えられてきました。もし、長男以外の兄弟がイフェー(本位牌)に名前を刻んでも認められず、以降のトートーメーへの継承が不可能となってしまいます。

③父方の血筋が混じる「タチーマジクイ」

「タチーマジクイ」とは、「他系」と「混ぜ込み」を意味します。つまり、沖縄のトートーメー信仰において父方血族以外の血を混ぜてはいけないということを示しています。タチーマジクイは、伝統的な考え方では重要な禁忌とされてきました。

④女性の継承を禁じる「イナグァンス」

イナグァンスには「女元祖」という意味があります。伝統的には女性による継承は避けられる傾向がありましたが、現在では女性が継承する家庭も見られます。女性が離婚したり、独身のまま亡くなった場合は、地域によっては「タチクチ」と呼ばれる新たな位牌を設ける考え方もあります。

継承で悩む家庭が増えている理由

近年、トートーメーの継承について悩む家族は少なくありません。それもそのはず、前述のようなトートーメーに対するタブーは、現代社会ではなかなか維持していくことが難しい状況にあります。

<現代社会でトートーメー継承が難しい理由>

  • 少子化
  • 核家族化
  • 県外移住
  • 管理する人の高齢化

以前は本家や長男が中心となって供養を続けることが一般的でしたが、現在では同じ形を維持することが難しい家庭も増えています。伝統的な継承習慣も影響し、継承者が不在となる家が増えているのも納得してしまうでしょう。

◇「ヒジュルイフェー」とは?

ヒジュルイフェーとは、「ヒジュル」は「冷たい」、「イフェー」が「位牌」という意味で、継承者のいないまま放置されたトートーメーのことです。トートーメーに関するさまざまな禁忌の中でも、最も忌み嫌われるのがヒジュルイフェーですが、伝統的な継承慣習を守り続けることが難しくなった現代では、結果として継承者不在のトートーメーが増え、ヒジュルイフェーが問題視されるケースも見られます。

家族で話し合っておきたいポイント

トートーメーの継承は一人だけの問題ではありません。継承する場合は、お墓や仏壇の管理についても同時に考えなければなりません。そのため受け継ぐ際は、家族で次のような点を確認しておくと安心です。

確認項目 話し合いたい内容
継承者 誰が管理するのか
仏壇 どこに設置するのか
お墓 管理や供養をどうするのか
将来 次世代へどう引き継ぐのか
家族の意向 無理なく続けられる形か

トートーメーをはじめ、お墓や仏壇の継承は、家族全体で考え、それぞれが納得できる形を見つけることが大切です。そのため、早い段階から家族で話し合っておくことが大切です。

まとめ

トートーメーは、沖縄で受け継がれてきた先祖代々の位牌であり、ご先祖様を供養する大切な存在です。伝統的には長男が継承すると考えられてきましたが、現在では家族構成や生活環境の変化により、さまざまな形で受け継がれるようになっています。

昔から受け継がれてきた文化を大切にしながらも、それぞれの家庭に合った形で供養を続けていくことが大切ではないでしょうか。

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